建物を新築したときの【建物表題登記】について土地家屋調査士が解説します

今回は、建物を新築した場合の登記、建物表題登記についての話です。

今回の動画をご覧いただければ、建物表題登記の内容(申請義務と罰則、申請の時期、古い建物でも登記できるのか、申請書に添付する書面、申請できる人)
がわかりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

では、建物表題登記についての5つのポイントです。

1つ目は、申請義務と法的な罰則
建物を新築した場合には、その登記名義人は1ヶ月以内に表題登記を申請しなければいけません。
違反した場合は、10万円以下の過料という罰則規定もあります。

2つ目は、申請できる時期
新築工事中の建物の登記の申請ですが、その用途に供しうる状況となっています。
居宅であれば、住める状態です。
クロスなどの内装がほぼ完成状態であり、トイレ、風呂など水回りが完備されている状態です。
※ただし、現在はコロナウィルスの影響で水回り製品の入荷がないので、トイレ等が設置されていなくても登記できるという
期間限定の特例が設けられています。
足場については、足場がついている状況でも表題登記ができるようになっています。

3つ目は、古い建物でも表題登記ができるか
40年前に建てた建物を登記できるのかという話です。
書類で建物の所有権を証明できれば登記できます。
通常は、所有権の証明として、建築確認済証、検査済証、工事した人の証明書、工事の契約書などを添付します。

古い建物の場合は、書類が紛失していてなかったり、工事を誰がしたのかわからない、家を建てた元の所有者が亡くなっている。
このような場合は、他の書類を積み上げて、所有権を証明していくことになります。
電気、ガス、水道などの公共料金の領収書
工事の見積書、請求書、建物の設計図など
固定資産税の書類として、納税通知書、評価証明、公課証明などがあります。

所有権を証明する書類が何もないと登記ができないということになりますが、
所有権を推認できる書類を複数用意することで登記できる可能性があります。

4つ目、添付書類です。
代理人から申請をする場合は、委任状を添付します。
所有者の住民票または印鑑証明書
所有権の証明として、建築確認済証、検査済証、工事した人の証明書(工事人の印鑑証明書付き)、工事の契約書などを添付します。
建売住宅の場合は、売渡証明書(分譲業者の印鑑証明書付き)

また相続人から申請をする場合は、戸籍などの相続証明書が必要です。
この場合の相続証明書は被相続人が死亡したことと法定相続人全員の戸籍が必要です。
分割協議をしていれば遺産分割協議書も必要です。

5つ目、建物表題登記を申請ができる人です。
申請できるのは、建物の所有者から申請できます。

戸建ての場合で、マンションは除きます。
建物の所有が、Aが建築して、Bが買い受けた場合は、直接買い受けたB名義で表題登記ができることになっています。
A名義で表題登記をすると、A→Bに所有権移転登記をすることになるので、経費の面を考えると買い受けたB名義で登記をすることをおすすめします。

相続の場合も同様で、相続人名義で直接、表題登記を申請をします。
ちなみに死亡した被相続人の名義で表題登記をすることも可能です。

1つ目は、申請義務と法的な罰則
申請しないと10万円以下の過料です。

2つ目は、申請できる時期です。
その用地に供し得る状態にまで工事が進んでいれば登記ができます。
居宅であれば住める状態ということになります。

3つ目は、古い建物でも表題登記ができます
ただし、所有権を証明する書類が必要です。

4つ目、添付書類
委任状
住所が変更している場合は住民票など
所有権を証明する書類が必要です。
建築確認済証、検査済証、工事した人の証明書(工事人の印鑑証明書付き)、工事の契約書などを添付します。

相続している場合は戸籍謄本など

5つ目、表題登記を申請できる人です。
所有者が申請することができます。
買受人、相続人から直接申請ができます。

多くの場合は、未登記の状態でも固定資産税は課税されています。
ただし、固定資産税の課税が漏れている建物を表題登記すると課税がされるようになります。

銀行に不動産を担保に借り入れをする場合は、未登記の建物を表題登記する必要があります。

借地上にある建物は、登記をすることで、仮に土地の所有権を第三者に移転をした場合でも、対抗できることになります。
借地の権利を保全するためにも登記をしておく必要があります。

建物を新築した場合や古い建物が未登記になっているときは、土地家屋調査士にご相談ください。