【境界を探す】土地家屋調査士が測量の現場で使う道具を紹介!

今回は、土地家屋調査士が現場で境界を探すときに使う道具を紹介します。

自分の土地の境界が分からない
建築、不動産関連の仕事をしていて境界を把握する必要がある

そんな人には、役立つ情報になると思います。

特に、紹介する道具は、100円均一、金物屋さん、ホームセンターで買えるものですが、境界を探すのに便利なものがあります。
全部を使う必要はありませんが、これはいいというものは試してみてください。

それでは、ぜひ最後まで、ご覧ください!

境界を探す土地家屋調査士の秘密道具を5つのポイントから紹介します。

1つ目は、長さを測定する道具です。
土地が塀などで囲まれていて、この辺りが境界だろうとわかる場合はそこを探索すればいいと思います。
ただし境界がどの辺りか、分からない場合は法務局の地積測量図などの図面の寸法から、ある程度辺りをつけて探します。
探す位置をできるだけピンポイントにしたほうが探しやすいです。

そのために使う長さを図る道具です。

①コンベックス
3mから10mくらいの長さが図れるものがあります。
短い長さを図るには便利です。

②レーザーポインター
光を当てて距離を測るというものです。
光を当てるものがないと測れないのが弱点です。
壁とか塀とか、あるいは画板みたいなものを置いてそこにレーザーを当てて図ります。

③テープ(巻き尺)
ビニール製のテープと金属製のテープがあります。
ビニール製のものが扱いやすいので境界探しではおすすめです。
長さを図るのに基本2人必要です。
1人で図るテクニックもありますけど、基本は2人で図ります。
10m以上の長い距離を測定するのに向いています。

2つ目は、穴を掘るための道具
境界標が地中に埋まっている場合があります。
10センチ、50センチ、あるいは1メートル以上、下に境界杭が埋まってることもあります。
特に昔は、地盤面が低かったところで、盛土といって土を埋め立てたところでは、
地中深くに、杭が埋まってることもあります。

それでは穴を掘る道具です。

①スコップ
通常のスコップよりも、細くて長いスコップを使います。
これが狭い範囲で、より深く掘れるので測量では、使い勝手がいいです。

②ダブルスコップ
これも狭い範囲で垂直に掘れる便利なスコップです。
地中に深く掘るときに向いています。

③バール
地中に石とかコンクリートなど障害物がある場合に使います。
注意するのは、あんまり思いっきりガツンガツンやると境界標そのものを壊しちゃう可能性があります。
コツとしては、境界から少しズレた位置をバールを使うと良いと思います。
ヤバそうだなと思ったら、優しく弱い力で崩していくおのが良いと思います。

④手シャベル
掘る位置が、塀などの障害物に囲まれていて、狭くてスコップ類が入らいない場合があります。
その場合に、手シャベルを使います。

⑤トング
手シャベルで掘っていくのに、ある程度深くなると掘った土を出すのが大変なんです。
そのときに使うのがこのトングです。
多分、これ外の業者さんは使ってないんじゃないかと思います。
このトングを使うとすごい便利です。

穴を掘るときに、注意したいのが、地中埋設物です。
排水管、ガス管、水道管を壊してしまう可能性があります。
近くに水道メータがないか、ガス埋設管の目印がないか注意が必要です。

スコップ類は、使ってるうちにだんだんと先が丸まってきて、地面に刺さりにくくなります。
私はスコップ類を使い終わったら、必ずスコップの先を砥石で研ぐようにしています。
そうすると、いつも新品のときと同じように、地面にぐさっと刺さって、少ない力で掘ることができます。

3つ目は、コンクリートなどをはつる道具
コンクリートやアスファルトの下に、境界標があることがあります。
削って掘り起こすための道具です。

①タガネ
先の尖ったものと、平らなものがあります。
状況で使い分けています。

②ハンマー
大きさが色々あります。
大きいもののほうが力が加わりやすくなります。

③メガネ、フェイスシールド
コンクリート砕くと破片が飛び散ります。
目を守るためにメガネ、フェイスシールドを使います。

4つ目は、目印をつける道具
コンベックやテープ(巻き尺)で、ある程度、境界の位置を割り出したらその位置に印をつけます。
穴を掘って境界を確認、測量をしたあとは、その穴を埋め戻します。
埋め戻したあとに、この下に境界があるということで印をします。

①チョーク、赤鉛筆
図面の数値から境界付近を割り出して、チョーク、赤鉛筆で印をつけときます。
チョーク、赤鉛筆は数日経てば消えるので、都合が良いです。
消えないスポットマーカーとかで書くと、地主さんに「コレなんだ、勝手なことするな」と文句言われることがあるので、消えるもので書いたほうが良いこともあります。

②スポットマーカー
スポットマーカーはペン型のペンキみたいなもので、ピンポイントで印をつけられて1年程度は消えません。
境界標は、通常は十字とか矢印とかになってるんですけど、十字や矢印なかったり、
古くてどこが中心がどこか分からない場合には、中心のところにちょんと印をします。

③木杭、鋲
穴を掘って埋め戻したあとに、この下に境界あるという目印で木杭とか鋲とかを地面に刺して目印にしておきます。
あとでまた掘り起こすときのための目印です。

5つ目は、掃除する道具
掘り起こした境界標は、土が付いていて分かりづらいので、「ハケ」でサッサッときれいにしてわかりやすくします。
また、穴を掘ったり、コンクリートを削ると周りが汚れますので、「ほうき、ちりとり」で掃除をします。

以上で、土地家屋調査士がつかう境界を探す道具についてお話をしました。

境界を探すのに穴をほったり、コンクリートを削ったりする場合には、
お隣の人にお断りして、やっていただければと思います。

苦労して境界標を見つけたときの何とも言えない喜びがあります。
掘り起こして、境界が出てきたときには、子供がお宝を発見したように胸が熱くなります。

今日、ご紹介した道具は、100円均一、金物屋さん、ホームセンターで購入できるものです。

紹介した道具で、これを使ってみようというものがあれば、ぜひお試しください。