【公図について】地図と地図に準ずる図面、公図の歴史、取得方法、何が記載されてる

公図についての話です。
公図とは、正式には法務局に備え付けられる「地図」または「地図に準ずる図面」のことをといいます。
今回は、3つのポイント、公図の歴史、公図の取得方法、公図に記載されている事項についてをお話をします。

この動画を見ていただければ、公図のことがわかります。公図の見方が変わります。公図からたくさんの情報が得られます。
ぜひ最後までご覧ください。

それでは1つ目、公図の歴史です。
公図は古くは、明治時代に地租改正の際に作成されました。
昭和25年以降に税務署から法務局に移管されたもので旧土地台帳付属地図とも呼ばれています。

この旧土地台帳付属地図が現在の公図となっていることがあります。

この当時の測量は、現在の測量技術とは違い、税金を少なくするために少なく測量することもありました。
ですから、必ずしも正確な公図とは言えません。

とはいえ、土地の境界線というのは、任意に変更するものではなく不変的なものです。
あくまでも土地の境界線は、原始的な境界を探求するということになります。

なので、この古い資料である公図は、境界を探索する上で重要な資料と言えます。

この時代の公図は、和紙で作成をされていました。
そしてより保存に強いポリエステルフィルムで作成されるようになりました。
現在では、公図はコンピュータ化され電子情報で管理されています。

2つ目、公図の取得方法

公図を取得するには、インターネットの登記情報提供サービスで1件364円で取得することができます。
https://www1.touki.or.jp/
インターネットで取得した公図は、PDFデータです。
この公図には、認証文と法務局の印鑑が押していません。

あとは、法務局で公図を取得する方法です。
法務局で公図を取得するには、

法務局の窓口で申請する
法務局に申請書を郵送する
インターネットでオンライン申請
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/

このいずれかで申請します。
法務局で交付を受ける申請書には、
認証文として「これは地図(地図に準ずる図面)に記録されている内容を証明した書面である」と記載されて
法務局(登記官)の印鑑が押されます。

法務局で取得した公図は、証明書として扱うことができます。
現在の公図証明書については、日本全国の法務局がコンピュータでつながってますので、どの登記所でも取得することができます。
私の事務所がある川口の法務局で、東京でも、大阪でも、福岡の物件の公図を取得することが可能です。

また、現在のコンピュータ化される書き換え前の公図、和紙やポリエステルフィルムで書かれた公図(旧公図)といいます。
この旧公図についても取得することができます。

コンピュータ化されていないので、インターネットではなくその管轄の法務局に申請をすることになります。
旧公図については、川口の法務局管轄の物件では、川口でのみ証明書の交付が受けられます。

3つ目、公図の記載事項

①表示年月日が記載されます。
インターネットで取得した公図は、左上の部分にその公図の年月日が記載されます。
法務局で取得した公図証明書の場合は、証明の年月日ということになります。

公図というのは、分筆や合筆登記をすることで、修正を繰り返すので、表示年月日は重要な日付ということになります。

また公図を提出する場合、
税務署であったり、金融機関であったり、市役所であったりに提出するには、1ヶ月内のものなど期限があるので注意が必要です。

②狭小地は、イロハニ・・・のように凡例を使って表示します。

③図郭線とその座標値
図郭線(外枠)が記載されます。
図郭線の角の座標値は、14条地図の場合は必ず記載されます。
地図に準ずる図面はの場合は、座標値が記載されていないことが多いです。

④方位
方位は北が上になるのが原則です。
方位が不明の場合は記載されないこともあります。

③図根点(基準点)の位置が表示されます。
図面を作成する上で、測量の基準点の位置が表示されています。
現地には、その位置に、鋲杭や金属標が亡失していなければ設置されています。

④所在、地番が記載されます。
申請した地番がほぼ中心に配置されるように、公図が表示されます。

⑤縮尺
14条地図の場合は、通常1/500です。村落農耕地域や山林原野地域では、一筆の土地が大きいので、1/1000、1/2500で作成される場合もあります。
地図に準ずる図面の場合は、1/600で作成されている場合もあります。

⑥精度区分
測量精度が高い順に、甲1、甲2、甲3、乙1、乙2、乙3の6種類があります。
14条地図の場合は、必ず精度区分の記載があります。
地図に準ずる図面の場合は、精度区分の記載がないことが多いです。

⑥座標系番号又は記号
地球上の位置を示すものです。
平面直角座標系は、日本を19のゾーンに分割して、各ゾーンに座標原点を設けています。
各座標系(1系~19系)の原点の値は、それぞれ、X=Y=0メートルとなります。
首都圏はⅨ系ということになります。

⑦分類
地図(法14条第1項)もしくは地図に準ずる図面と記載されます。
14地図は精度が高くて、現地の境界(筆界)と一致してる図面と言えます。
地図に準ずる図面は、地図を備えるまでの間、暫定的に備えられているものです。
地図に比べると精度が低い図面ということになります。

⑧種類
図面の種類として
旧土地台帳付属地図、
土地区画整理図、
法務局作成地図、
のように記載されます。

以上、公図についてお話をしてきました。
1つ目が公図の歴史
2つ目が公図の取得方法
3つ目が公図に記載されている事項

参考にしていただければ幸いです。