土地家屋調査士事務所を開業した当初の残念な話

私は2001年、33歳のときに開業をいたしました。
カネなし、コネなし、コミュ力なしの状態でスタートです。

特に、測量の技術屋で、
営業も、経営も、世の中のことわからない状態でのスタートです。

今回は、私の開業当初のちょっと恥ずかしい失敗話を披露します。

士業でこれから開業する人
小さな会社を運営する人
カネなし、コネなし、コミュ力なしで悩んでいる人にとっては役立つ情報になると思います。

特に最後に、私の痛烈な恥ずかしい失敗談がありますので、ぜひ最後まで御覧ください。

それでは開業当初の3つの残念な話をいたします。

・下請けの仕事で残念
・仕事を選ばずに何でも引き受けて残念
・安物買いの銭失いで残念

1つ目は、下請けの仕事で残念

開業当初のときの測量会社のお手伝い的な仕事もしていました。
測量会社からデータをもらって、ポイント出しみたいなスポット的な仕事ですね。

測量会社から大きい仕事をいただくこともあるんですけど、
それを受けてしまうと本業の土地家屋調査士としての仕事が入ったときに支障があったりしますので、
あくまでスポット的な1日、2日だけみたいなお手伝いをしていました。

仕事をさせていただいた測量会社さんには大変感謝をしています。

ただ当然なんですけど、安い、安い、安い。

測量会社さんから、データをもらって、現地にポイントを出すということをしていました。
当然、私の父であったり、同じ時期に独立した仲間のE君にアルバイトで手伝ってもらって仕事をしていました。

ほどなく、現場は無事に終了して、事務所に戻ったんですけど、
現場に買ったばっかりの15000円のテープ(銅巻き尺)を忘れてしまって、戻ったんですけど、もうありませんでした。

測量現場は、外構屋さん、基礎屋さん、建築業者さんとか
いろんな業者さんが入り乱れてるんで、忘れ物をするとすぐになくなってしまいます。

アルバイト代を支払って、今日はタダ働きだななんて思いながら、
その日は、吉野家の牛丼を食べてふて寝しました。

それからは現場では、忘れ物チェックは徹底してしています。

2つ目は、仕事を選ばずに何でも引き受けて残念

開業当初は、土地家屋調査士として運営ができるかという不安が多かったので、
とにかく来た仕事は何でも引き受けるということでやってました。

安くても、納期が短くても、支払いの遅いお客様でも、依頼は断りませんでした。

おかげで、割とすぐに事務所を軌道に乗せることはできました。
3年で、補助者3人雇うくらいの事務所にはなりました。

川口では、そこそこの事務所にはできたんですけど、
何でも依頼を引き受けるというスタンスは結構長く尾を引きました。

そこで、仕事を選ぶ、依頼者を選ぶ、依頼を断るというスタンスに変えました。

安く依頼されるお客様に対しては値上げが難しい。
納期が短いお客様についても、その仕事に振り回されて、他の仕事に影響が出ることがあります。

特に、支払いの遅いお客様については、依頼の断り時というのが難しかったということがありました。
一社で年間1000万円くらい取引をいただいている依頼者様がいたんですけど、
その会社も、経営状態が良くないのか、「支払いを待ってくれ、待ってくれ」少しづつ支払いスパンが長くなるということがありました。
そうすると常に数百万円の売掛金があるということになりますので、なかなか依頼を断りづらいという状況がありました。

あるときに一時的に売掛が60万円くらいになるタイミングがあって、
ここしかないというタイミングで「もう新規の仕事はやりません」ということでお断りしました。

今は、それなりの報酬をいただいて、納期の短い仕事は断って、
請求してから皆さん一ヶ月以内にお支払いをいただいているという状況です。

今のような健全な経営状態に持っていくのに、おおよそ8年くらいはかかりました。

開業当初にご依頼をいただいたお客様には感謝するところではありますけど、

今から思うと、開業当初から「できない仕事はできない」ということでお断りしていたほうが良かったのではないかと思います。

3つ目は、安物買いの銭失いで残念
開業当初は、お金が無かったので、
削岩機とか、コピー機とか、車とかを中古で安く買いました。

中古で安く揃えるのはいいんですけど、やはり極端に安いものはだめです。
後で軒並みすべて買い換えることになりました。
やはり、それなりにいいものを買わないとだめですね。

測量用にワンボックスの車を買ってスタートしました。
当時10万円くらいで購入したと思うんですけど、なかなかのボロい車でした。

まず、真冬にヒーターが壊れるということが起こりました。
現場の帰りに当時一緒に仕事をしていたEB君と、車の中で防寒着を来てガタガタ震えながら帰ったということがありました。

それから間もなくして事件が起こります。

練馬区の現場で朝10時から境界立会をする現場がありました。
外環自動車道って高速道路に乗って、現場に向かってました。

練馬大泉インター出口付近で、エンジンがカラカラ音がして、あれと思ったらスーっとエンジンが停まってしまいました。
やべーと思って、すぐにJAFに連絡してレッカー車を呼ぶことにしました。
EB君に車に乗ってレッカー車を待ってもらって、私は歩いて現場に向かおうとしました。
高速道路管理してる人に、「高速道路を歩かないでください!」とめちゃくちゃ怒られて、
EB君と二人で、レッカー車を待つことになります。

ほどなく、レッカー車が到着をして、EBサワ君と一緒にレッカー車に牽引されて移動することになります。
ルールとしては、レッカー車の役割というのは高速道路を降りるところまで移動させて仕事は終わりらしいんです。

ところが、EBサワ君と二人で、レッカー車の人を拝み倒して、インターから10分ほど離れた現場まで
レッカー車で連れて行ってもらいました。

そして、8人くらい集まる境界立会だったんですが、ギリギリセーフで間に合いました。

やはりお金が無くても、仕事で使う、道具、車、パソコン類などは
それなりに良いものを使わないとだめと、安すぎるものはやめたほうがいいという話でした。

以上、残念な話を3つさせていただきました。

・下請けの仕事で残念

・仕事を選ばずに何でも引き受けて残念

・安物買いの銭失いで残念

参考にしていただければ幸いです。