【業界の闇】土地家屋調査士が不動産業者にキックバック(紹介料)はありなの?

 

みなさんは、キックバック(紹介料)を払うあるいはもらった経験はありますか?

 

ほとんどの人は、意識的か無意識か、どちらかでも経験があると思います。

人と人とをマッチングさせて、報酬を得るビジネスというのは、普通にあります。

ココナラであったり、人材派遣会社であったりたくさんあります。

私自身も、ココナラは発注する側としてとても重宝させてもらってます。

 

ただし、多くの士業では法律で「不当な手段により依頼を誘致してはならない」と規定されています。

特に、弁護士、司法書士、土地家屋調査士は、キックバック(紹介料)の支払いを法律で明確に禁止しています。

 

今回は、土地家屋調査士のキックバック(紹介料)についての話をします。

ぜひ最後までご覧ください。

 

どーも(^^)

開業21年、土地家屋調査士の杉山です。

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キックバック(紹介料)について3つのポイント

1つ目は、紹介料とはどんなものなのか

2つ目は、紹介料の問題点

3つ目は、紹介料に関する懲戒処分

 

 

 

1つ目は、紹介料とはどんなものなのか

土地家屋調査士業務のほとんどは、業者さんから紹介で依頼を受けます。

一般の人が不動産を売りたいということで不動産業者さんに相談します。

うまく不動産を買いたいという人を見つけて、売買契約ができると、その契約の中で、条件が付くわけです。

数カ月後の決済(売買代金の支払い)までに、つぎの条件をクリアしてください。

 

確定測量を終わらせる。

建物の解体工事と建物滅失登記を終わらせる。

土地の地目が現地と一致していなければ、現状に合うように地目変更登記をする。

などの契約条件を売り主さんはクリアすることになります。

 

一般の人で土地家屋調査士の知り合いがいる人は、ほとんどいません。

なので不動産業者さんから紹介された土地家屋調査士に依頼をすることになります。

そこで紹介した不動産業者さんからキックバック(紹介料)を要求される。

というのが一般的な流れです。

 

10年くらい前までは、結構キックバックを要求されることが多かったです。

大手企業さんからも、うちの仕事をするときは15%バックしてもらいますなんて話もありました。

中には、ひどいのは会社が要求するのではなくて、一社員が紹介料を要求するなんてもともあります。

ただし、今はキックバックを要求されることは、ほとんどないです。

 

私の場合は、キックバックはすべて断ってるので、そういう人が私の周りからいなくなったのか、

もしくは世の中全体的に、キックバックを要求する業者がなくなったのかはわかりません。

 

類は友を呼ぶで、キックバック(紹介料)を払ってしまうと、要求する人が集まってくるし、

毅然と断っていれば、キックバック(紹介料)とは関係なくお付き合い頂ける人が集まってくるということになります。

 

 

 

 

2つ目は、紹介料についての問題点

 

まずは、依頼者さんは当然通常よりも高い金額を支払うことになる。

紹介する業者さんに対して、10%あるいは20%の紹介料を支払うことになると、

当然ですがその分を上乗せして請求しますので、最終的に依頼者さんが支払う金額は高くなるということになります。

今は、インターネットで相場なんかも簡単に調べられますから、あの土地家屋調査士に依頼したら高い金額を請求された。

という話になってきます。

仮に通常の報酬額の中に、紹介料の20%を織り込んだとしても、

土地家屋調査士は通常よりも安い報酬額で仕事をしますので、パフォーマンスの低い仕事をするということになります。

 

つぎに、違法だとは知らない

土地家屋調査士の会則の中に、

「金品の提供又は供応等の不当な手段により依頼を誘致してはならない」という規定がされています。

金品の提供というのはキックバックのことですし、供応等というのはお酒やゴルフなどの接待が含まれます。

 

キックバック(紹介料)を要求する人は、法律に違反をしているということは知りません。

また、人と人とをマッチングさせて報酬を得るビジネスというのはいくらでもありますから、

キックバック(紹介料)をもらうことに罪悪感がない人も当然います。

 

なので、キックバック(紹介料)を要求されたら、

「これは法律に違反しますので出来ません」と断るということです。

 

あとは、業者さんからパートナーシップ契約を結んでほしいと言われたことはありました。

一口30万円とか50万円を支払って契約をするものなんですけど、

取引してる業者にゴリゴリの営業をかけられて断れないような雰囲気を作られます。

当然、営業マンからは「契約料をお支払いいただければ、継続して取引できます」くらいのことは言われます。

 

これも、不当な依頼誘致と取られる可能性はあるのかとも思います。

 

 

そして、弱みを握られてしまう

キックバック(紹介料)を支払うことは違法な行為ですから、

つぎに紹介する懲戒処分のリスクというのが出てきます。

その中で、キックバックを払ってる相手に対しても弱みを握られてる状況になると思います。

 

キックバック(紹介料)の支払いについて、領収書の交付を受けている、あるいは銀行振り込みで払ってる。

そして必要経費で落としているということになるとバッチリ証拠が揃っちゃうわけです。

 

そうするとキックバックを払っていてい、相手に弱みを握られていて、言いたいことも言えないなんてことになりかねない。

最悪な想像かもしれませんが、そうなると目も当てられません。

 

中には商品券で紹介料を払って証拠を残さないなんてこともあるかも知れません。

 

いずれにしても、業者さんや依頼者さんと健全な関係を築くためには、キックバック(紹介料)というのはないほうがいいです。

 

 

 

3つ目は、紹介料に関する懲戒処分

 

懲戒処分の事例を2つ紹介します。

 

①業務停止3ヶ月間の処分になった事例

司法書士と土地家屋調査士の兼業を行っている人です。

約14年間にわたって、権利と表示に関する登記を1ヶ月に9件から15件程度のあっせんを受けていた。

 

そして、建物表題登記の報酬の約30%を紹介料として支払っていた。

 

 

②業務停止1年間の処分になった事例

被処分者は、宅地分譲業者である株式会社乙より建物表題登記の依頼を受けていた。

この分譲住宅の建物表題登記が大半を占めるようになったということです。

そして株式会社乙が開発した自社業務用システムを使用する対価として、建物表題登記1件について52,500円を支払う契約をした。

なお建物表題登記の報酬額を105,000円としていた。

そして、平成19年から平成22年までの3年間で4253件の建物表題登記を行った。

システム使用料として、平成22年10月からの3ヶ月間で1889万1000円を乙に支払ったことがわかっている。

 

システム使用料という名目を隠れ蓑としたリベートであることは明らかである。

 

想像ですけど、自社業務用システムというのは、単純に販売用に業者が作成した物件概要書ではないかと想像します。

一生懸命考えたんでしょうけど、キックバック(紹介料)以外の何物でもないということです。

 

事件数と金額の大きさと、現地調査を省略していたということもあって、1年間の業務停止という厳しい処分がされていたということです。

 

 

業務停止処分と言いますと、今依頼を受けている仕事は他の土地家屋調査士に引き継ぐことになるでしょう。

そして、その間に業務の取り扱いが出来ない旨は、取引先にお知らせをすることになります。

当然、取引先さんはその期間内には他の土地家屋調査士に依頼することになります。

なので、かなりの確率で取引先との関係はなくなると思います。

 

業務停止というのは、仮に1ヶ月だとしても、土地家屋調査士としてはかなりのダメージを受けることになります。

 

 

 

今回も、ご覧いただきありがとうございます(^-^)/

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