【ホワイト革命】ホワイト化が加速すると土地家屋調査士はどうなる?

私は、土地家屋調査士として開業して20年、補助者の期間も入れると約30年間この業界にいます。
世の中が劇的に変わりました。
何が変わったと思いますか?
社会がどんどんホワイト化していったということです。

私は、岡田斗司夫さんが大好きなんですけど、岡田斗司夫さんは「ホワイト革命」という言い方をしています。
道徳的にも、衛生的にも、倫理的にも、この10年、20年でよりかなり基準が厳しくなっていきました。
そして、この「ホワイト革命」はあと10年から20年続いて、ホワイト化が完成に至るだろうと岡田斗司夫さんはおっしゃってます。

今回は、急速にホワイト化する社会で土地家屋調査士がどのように仕事をすれば良いのかをお話します。
この世の中のホワイト化の流れを理解していないと、本当にイタイおじさんになってしまいます。
土地家屋調査士に限らず、イタイおじさんになりたくない人は、ぜひご覧ください。

どーも(^^)
開業21年、土地家屋調査士の杉山です。
このチャンネルでは、土地家屋調査士としての経験、知識、考え方をお話しています。
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3つのポイントにまとめてお話をします。
1つ目は、ホワイト化する社会
2つ目は、ホワイト化する社会で変わる土地家屋調査士の仕事
3つ目は、ホワイト化する社会で事務所を大きくすることのリスク

 

それでは、
1つ目は、ホワイト化する社会
昔は、殺人事件は新聞の3面記事に小さく報道されるだけ、
でも今はどうでしょう、1面で大きく報道される。
それだけ世の中の事件が少なくなった。よりホワイト化したということになります。

昔のテレビドラマや映画では、トレンチコートを着た主人公が道路にタバコをポイッと投げて、黒の革靴のカカトでグリグリっと消す。
そんな場面が、格好良く描かれていたわけです。
もう現代では、あり得ないことです。

私がこの仕事を始めた30年前はどうだったかと言うと、
測量作業をしながらタバコを吹かして、道路側溝にポイと捨てる。
そんな今では考えられないこともありました。
もちろん事務所でもデスクでタバコを吸い、銀色の灰皿にタバコの吸殻が山になっている。
いつ書類を焦がしてしまう事故も起こりかねない。
実際に私はタバコで書類を焦がしたことがあります。

事務所には、認めの印鑑が大量にある。
もちろん、認印ですむ書類は相手の了解のもと事務所で作成するためである。
不動産業者さんからは、所有者の了解を得ているから委任状はそちらで作って欲しいと言われる。

他にも業界の黒歴史というのは、数え切れません。
こうした昔の黒歴史は、30年前に仕事をした経験のある人は否定できないと思います。

もし、今の社会でそんなことをすれば、すぐに信用をなくす。
厳しい懲戒処分を受けて仕事ができなくなります。
なので、今の時代にそんなことをするのは
社会がホワイト化していることに気づいていない人か、
または後先を考えずに行動してしまう人、
もしくは、よほどの悪人しかいないのです。

そして、これから10年後はどうなるのか?
そうです。今よりもっとホワイト化します。
今までは何となく、見過ごされてセーフだったことが、
10年後にはアウトになる。
情報が豊富にあることで、一般の人がより賢くなります。
「土地家屋調査士でない人が境界立会いしていいんですか?」
「それって非弁行為じゃないんですか?」
そして、一般の人がお気軽に、調査士会や法務局にクレームを入れるようになる。

つまり、これから10年後の世界は、今よりもっとクリーンで誠実な人、倫理的な人しか残れない。
よりホワイトになることが、これからの生き残り戦略なのだと思います。

 

2つ目は、ホワイト化する社会で変わる土地家屋調査士の仕事

ホワイト化する社会では、依頼者も、隣接する所有者も、役所もよりホワイトな人を望むようになります。
そしてホワイトになり切れない人は、極端なブラックになる。
そういう傾向になるのではないかと思います。

そして中途半端なホワイトは、ちょっとした落ち度をブラックに誹謗中傷される。
またモンスタークレーマーに徹底的に攻撃されます。

10年前には、何となく許容されたいたことが、今では厳しく避難されている。
それと同じように、今何となくセーフのことが10年後の世界では完全なアウトになるとうことです。

10年後に生き残るために今から、戦略的にホワイトになる。
ホワイト戦略を行っていく必要があります。

10年後により厳しさがますこととしては、次のことが考えられます。

まずは、業際問題です。
土地家屋調査士が登記の申請のために必要な住民票や戸籍謄本など諸証明書の申請をすることは、
土地家屋調査士の付属の業務として認められております。
ただし、農地法の許可申請などの許認可の申請は、
行政書士の専属業務ということになります。
また、非弁行為についても厳しくなることが予想できます。
弁護士法72条で弁護士にのみ認められている行為を弁護士でないものが、
報酬を得る目的で行うことを禁止しています。
具体的に言うと、越境物の測量を行うことは問題がないが、「越境に関する覚書」を取り交わす行為を報酬を得て行うことは、非弁行為と言われる可能性がある。

つぎに、補助者(従業員)による業務
土地家屋調査士は、補助者(従業員)を雇うことが出来るんですけど、
その雇い入れた補助者に対して包括的に業務を行わせてはならないとされています。
土地家屋調査士の仕事は、基本的には資格者本人が行い、補助者が行うのあくまで補助的な業務ということになります。
具体的には、
・土地の境界立会い
・申請書の補正
などは土地家屋調査士本人がする必要があります。
今までは、補助者による業務も何となく許されていたというのと、
補助者が業務を行っていけないということが知られていなかった。
ところが、これだけ世の中に情報が溢れてくると、一般の人の知識が高まってきます。
そうなると隣地の人から「境界立会いに社員(補助者)の人だけで本職(土地家屋調査士)がいなかったんですけど大丈夫ですか?」とか
仕事の依頼をしたんですけど、補助者の人が来て土地家屋調査士本人と会ったことがない。
そういうことになると非常にまずいということです。

そして、現場での駐車違反です。
今時点でも、現場やお客様のところに行く際の駐車についてはかなり気を使っています。
3分で済む用事でも、コインパーキングを使用するようにしています。
特に、測量の現場ではかなり気を使います。
道路上に駐車してしまうと、邪魔だとかクレームが入って、後の境界立会いにも影響しかねないのです。
あとは平気で路上駐車する会社だと思われると心象が悪いんですよね。
測量現場の前に、路駐すると楽なんです。
測量の道具もすぐに取れるし、お昼に食事をするのもクルマですぐに移動ができます。

いま時点では、現場での路上駐車も許容されることもありますが、
これからホワイト化がますます進んでいきますと、かなり厳しい目で見られるのではないかと思います。

 

 

3つ目は、ホワイト化する社会で事務所を大きくすることのリスク

ホワイト化する社会では一般の人の目に厳しくさらされるということがあります。
より完璧を求められる
ホワイトになれなかった人たちが、クレーマーへと変貌していきます。

これから10年間ホワイト化が進み、まるで潔癖症のような社会になっていくと思います。

事務所の規模が大きくなればなるほど変化しづらくなる。

つまりホワイト化する社会では、小さい事務所運営をしていくこと。
自分の目の届く範囲だけで仕事をしてくことだと思います。

人を雇った経験のある人はわかると思うけど、人が多くなればなるほどルールは変えづらい。
特に社員さんにとって、プラスに働くルールはすぐに変えられる。
しかし、マイナスになるルールとなると必ず反発が起こり変えづらいものである。
日報を出せ、路上駐車はするな、個人情報の処理はシュレッダーに掛ける。

見てる前ではやるかもしれない。
でも、当然にすべて管理なんてできないわけですから、あとは社員さんの良心にお任せるほかないわけです。

ダーウィンの名言です。
「生き残る生物は、大きなものではなく、力が強いものでもなく、変化したものである。」
大きくて力の強いマンモスや恐竜は、絶滅しました。そして小さなネズミは生き残った。
変化をし続けた人間も生き残りました。

つまり、ホワイト化が進み、世の中が急激に変化していく中では、
事務所は小さく運営をして、トップの考え一つですぐに変化できる。

それがホワイト化する社会での生き残り戦略であると思います。
大きくなること、強くなることよりも、生き残ることが大事なんです。

大口の取引先に無茶なことを言われることがあります。
法律的にも、倫理的にもスレスレなこと。

社員さんが大勢いる大きな事務所では、なかなか断れないですよ。
だって、大口の取引先を失ったら、社員さんのお給料や家賃の支払いができないですから。

私は、取引先に無茶なことを言われたら、かんたんに断りますよ。
だって自分と妻の給料が減るだけだけだし、自宅と一緒だから家賃もなしですから、
しかもすぐにお客さんを見つけてすぐに元の売上に戻ります。
なので1件の取引先を失っても、それほど痛くもないわけです。

この辺が小さい事務所の強さだと思います。

 

20年くらい前は、不動産業者さんのステ看板というのをよく見ました。
電柱などに、宅地分譲中こちらみたいな感じで貼り付けるわけです。
結構、大手企業も実はやっていました。
ところが10年くらい前から、徐々に不動産業者さんの捨て看板が減ってきて、今ではほとんど捨て看板を見なくなりました。
これは警察の取締が厳しくなったせいではないと思います。
20年前は、宅地分譲中の捨て看板が、明らかに販売促進になっていた。
ところが徐々に、捨て看板を使うような法律違反をする業者からは、不動産を買わないほうがいい。
という考えが、捨て看板を見て不動産を買う人を上回ってきた。
それが10年前に逆転した。

そして現在では、捨て看板をするような業者とは関わってはいけないという考えるのが大半である。
そのために不動産業者さんは、捨て看板を使うと販売促進どころか、会社のイメージ、信用をなくしてしまうという状況になった。
これが捨て看板がなくなった経緯であって、ホワイト化する社会のわかりやすい事例だと思います。
不動産業者さんに限らず、どの業界でも同じようなことは怒っているのではないかと思います。

 

倫理的にも、かなりホワイト化が進んでいる話なんですけど、
少し前の話なんですけど、
とある団体で、私がセミナーの講師をさせていただく機会がありました。
30人くらいの前でお話をしたんですけど、不慣れながらも楽しく話しをして無事に役割を終えました。
そのあと15人くらい残って食事をして、「それでは今日の感想をシェアしていきましょう」ということになりました。

順番に1人づつセミナーの感想を言っていただいて、
昔から知っている川口市で市議会議員をやられている人の番になったんです。
少し驚いたんですけど、感想のシェアが「今日は、杉山君が話しをするということで来ました」から始まったんです。
話の途中で、何度も杉山君、杉山君、杉山君って何度も出てくるんですよね。
こんな人前で、人のことを「杉山君」って君付けはねえだろうと思ったんです。
もしかしたら私と仲のいいアピールで、君付けしたのかとも思いました。
でも感想の内容も少し批判めいたことも言っていたので、この人単純にマウント取りたいだけなんだなと思いました。
こんな人前で、人のことを君付けじゃなくてさん付けだろう、この人おかしいんじゃないか、そう思ったんです。

この君付けに、ものすごく違和感を覚えたんです。
でもちょっと待てと、10年くらい前の状況を考えると、彼のほうが年齢が5,6歳上だし、君付けで呼ぶことに違和感はなかったのではないか。
もしかしたら、彼の感覚が10年前と変わっていないだけなのだろう。
きっと、公然の場で人を君付けで呼ぶことが、呼ばれた相手とその場にいるいかに人たちの気分を害するという想像ができていないのだろう。
ホワイト化する社会に付いて行けていないだけなのだ。
そう思ったのです。

10年前にはセーフであったことが、今はアウトになる。
今はセーフなことでも、これから10年先のホワイト化が進む社会ではアウトになる。
この時間によるギャップは、誰にでも起こることではないかそう思いました。

このホワイト革命について行けるのか、行けないのかは
自分次第ということになります。

今回も、ご覧いただきありがとうございます(^-^)/
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