登記の面積を訂正する【地積更正登記】について土地家屋調査士が説明します。

土地の登記に地積(面積)が記録されています。
実は、この土地の面積なんですけど、必ずしも正しい面積ではありません。

なぜかと言うと、登記の面積というのは、明治時代に測量したその成果が記録されていることが多いからです。

今回は、登記された面積を正しい面積に、訂正する「地積更正登記」についてお話します。

この動画を見ていただければ、
登記の面積と実測の面積が違うパターン
地積更正登記をするメリット・デメリット

が分かりますので、
ぜひ最後までご覧ください。

実は、土地区画整理事業をしていたり、国土調査をしていたり、分筆や地積更正の登記をしている場合は、
登記されている面積と実際の面積はほぼ一致しますけど、それ以外の場合は登記の面積と実際の面積は違うことが多いです。

土地の登記に記録された面積は、明治時代に測量した面積がそのまま記録されていることがあります。
もちろん今のように、正確な測量技術があるわけではありません。

特に、傾斜地や河川の近くでは、面積の差が大きい傾向があります。
また、その当時の権力者は、税金を安くするために、実際よりも少ない面積で登記していることもあるという話を聴いたことがあります。
測量をしてみると登記された面積が300㎡で、実際には400㎡であったり、また200㎡であったり全然面積が違うということはよくあります。

また分筆をするときに残置差し引き計算を繰り返している場合も、登記の面積が大きく違う原因となります。
残置差し引き計算の分筆というのは、平成16年以前は一般的に使われていた手法です。

登記された面積400㎡を分筆する場合、分筆する筆の実測が100㎡の場合は、
もう一方の土地の分筆残地については、400㎡-100㎡=300㎡と計算します。
さらに300㎡の土地から実測値100㎡の土地を分筆すると300㎡-100㎡と計算しますので、
誤差が累積して、実際の面積と大きな差になります。

正確な測量をして、正しい面積に訂正する「地積更正登記」をすると安心です。

昔は、三斜法といって、三角形をつくって面積の計算をしていました。
現在では、座標法といって現地の復元能力が高い面積の計算方法を使っています。

また、最近は世界測地系といって世界で統一された座標系を使います。
なので、境界標が工事等でなくなったとしても、簡単にその位置を復元することができます。

その基準点が市街地であれば50メートルから100メートルおきに設置されています。
現地の復元能力が高いので、安心です。

地積更正登記をすると法務局に地積測量図が永久に保存されます。
そして、誰でもその地積測量図を閲覧することができるんです。
そうなんです!公的な資料になりますので、境界トラブルを避けることができるんです。

土地の売買をするときに、測量することが多いです。
このとき土地を買い受けた人は、測量した面積が登記に反映していると思っているでしょう。
しかし、実際には地積更正登記あるいは分筆の登記をしていなければ、登記と実測の面積は違うままです。

売買の売主さんは、測量まではしていても、地積更正登記まではしないのが通常です。
買主さんが土地を買い受けたあとに、地積更正登記をするのが一般的です。

今一度、ご自身がお持ちの土地について、登記の面積が実測値になっているか、確認をされてはいかがでしょう。

続いて、地積更正登記したあとは何が変わるのか?という話です。

◇銀行からお金を借りる場合に担保評価は実測面積になります。
◇固定資産税などの税金も実測面積になります。
なので、地積更正登記をしたあとは、税金が上がったり、下がったりということになります。
但し、面積の増減することで、5年間さかのぼって税金が追徴されたり還付がされることは原則はありません。
◇区画整理の計画がある場合は、区画整理後の換地の面積影響がある場合があります。
◇土地の売買をする場合は面積が実測面積を基準に処分できます。

地積更正登記の費用がいくらかかるか心配だと思います。
登記事項証明書、公図や測量図などお手持ちの資料をメールで送付していただければ見積書を提出します。メールアドレスはコメント欄に記載しています。

ぜひ、ご検討ください。