【再建築不可】接道義務と土地家屋調査士の境界測量

建物を建築するためには、いくつかの要件があります。
そのうちの一つ、接道義務についてお話をします。

 

建築基準法では、建物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないとされています。
今回は、土地家屋調査士がこの接道義務の2mに満たない場合、また2mギリギリの場合にどのようなことに注意して、業務を行っているのかをお話します。

それでは、接道義務と再建築不可の今日話しをする3つのポイントです。

・接道義務2mを満たないパターン

・再建築不可の土地の境界確定

・再建築不可の土地の対処法
についてお話をします。

この動画を見ていただければ、再建築不可と接道義務、それに伴う境界測量についてわかります。
ぜひ最後まで、ご覧ください。

1つ目は、接道義務2mを満たさないパターンです。

接道義務を果たせないのは、ほとんどの場合が、路地状敷地(旗竿地)です。

直径2mのボールをイメージしていただいて、
2mのボールが路地状部分を通過して宅地部分に入れないと再建築不可ということになります。

なので入り口が2m以上あっても、部分的に2mを切っている場合(1.9mしかない場合)は、再建築不可です。
また、通路が2つある場合で、合計の幅が2m以上ある場合も、2mのボールが通り抜けできませんので再建築はできません。

道路の角で、2mに接してる場合も2mのボールは通れませんから、再建築できません。

建築基準法の条文を読むと、道路に2m接続してれば良いように読み取れますが、
実際には通路幅として2m以上が必要ということになります。

2つ目は、再建築不可の土地の境界確定です。

法務局で地積測量図を調査して、図面上で数値が2.00メートルあれば、安心ということではありません。
建物を建築する際には、建築基準法の確認が必要になります。
現地を検査員が確認します。メジャーで図って1.99メートルしかなければ、建築の許可ができないことに成りかねません。

図面上は、2.00メートルあっても、現地の境界杭を測量すると1.99メートルしかないということもあります。
通常であれば、1センチの差であれば、誤差の範囲内としてそのまま確定することも考えられます。
ただし、土地の価値に大きく影響しますので、図面通り2.00メートルを確保できるように隣地の人にご理解をいただいて、
了解のもと2.00メートル確保できるように境界標を設置するということになろうかと思います。

実際に路地状の部分が、幅1.50メートルしかないということもあります。
そのような場合に2.00メートル確保できるように、隣地の所有者さんと境界確認をすれば良いと考えられるかもしれません。
残念ですが、事実と違う境界(筆界)線で境界確定をすることはできません。
境界(筆界)線は、原始的なもので、合意によって変更することができないからです。
仮に2.00メートルを確保した実際とは違う境界線で、隣地の所有者さんと境界確認書を取り交わしたとしても、
地積更正登記や分筆登記をすることはできません。
申請をしても法務局で却下されます。
また境界確認書に基づいて売買しても、地積測量図などの資料で路地状の幅が1.80メートルしかないことがわかれば、
売買契約が解除ということになります。
また隣地から筆界特定制度や境界確定訴訟がされれば、幅1.50メートルの位置で境界が判断されます。

境界(筆界)については、1.50メートルの位置で隣地と確認をして、別の方法で対処することになります。

3つ目は、再建築不可の土地の対処法です。

対処法としては、
・建物がある場合はリフォームを繰り返して対応する
・隣地を買い取る、また隣の人に買ってもらう
・隣地の一部を買い取って幅2.00メートルを確保する
・隣地と土地の一部を分筆して交換する

という事になります。

再建築が可能なのか、再建築不可なのかで土地の価値が大きく変わります。

再建築不可の土地を所有していて建築できるようにしたい。
再建築不可の物件を安く購入したい
再建築不可の土地を売りたくて悩んでいる

そのようなときに参考にしていただければ幸いです。