建物を新築したら登記はしないとダメなの?

建物を新築したときに登記ってしなきゃいけないの?
あるいは古い建物があって未登記(登記していない)という場合に登記した方がいいの?
という問題があります。

今回は建物の登記について、3つのポイントをお話します。
1つ目は、法的な登記する義務について
2つ目は、固定資産税について
3つ目は、銀行の融資について

この動画を見ていただければ、建物の登記が必要かそれとも必要ないのかが、分かります。
ぜひ最後までご覧ください。

どーも(^^)
開業21年、土地家屋調査士の杉山です。
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1つ目は、法的な登記をする義務について
建物の登記というのは、法的な義務があります。
不動産登記法という法律があって、
建物を新築したものは、1ヶ月以内に表題登記を申請しなければならないとされています。
登記を怠った場合には、10万円以下の過料に処するとされています。

企業の場合は、コンプライアンスの問題がありますから当然に建物の登記はすることになるでしょう。
ただし、実際に建物の登記をしないために罰せられた事例は、私の知る限りではありません。
また、1ヶ月以内に登記をしなければならないことになっていますが、
仮に古い30年前に建築した建物を登記を申請しても、法務局から「1ヶ月以内に登記しないといけないの今まで何をやってたんですか」なんて言われることはまずありません。

法律で建物の登記については、申請の義務があり、罰則もあります。
ただし、罰せられたということは、知っている限りではありません。

 

2つ目は、固定資産税について

建物の登記をしなければ建物の固定資産税は課税されないのではないか?
登記をすることで、固定資産税が課税されると思う人がいます。

原則は、建物の登記をしても、しなくても固定資産税はかかります。
仕組みとしては、建物の登記をすると法務局から、固定資産税を課税する市町村に通知がされます。
通知を受け取って、市町村が固定資産税を課税します。
法務局の通知とは別に、市町村も独自に調査をしています。
新しい建物ができれば、登記をしなくても市区町村は、現地の調査をして固定資産税を課税します。
つまり登記をしなくても、市町村が調べて課税をします。

ただし、まれに市町村も調査に漏れがあります。
多くの市町村では、空からの航空写真で新しい建物があるか増築をしていないかをチェックして、
前の航空写真と変化があるところを現地の調査をして課税しているようです。
感覚的に言うと、平家建てを増築して2階建てにしたり、増築した部分が小さい場合、建物を取壊して同じ場所に新しい建物を建てたときには、
航空写真では判断がつきづらいためか課税漏れになることがある。
ただし、実際には課税漏れるケースは少ない。
課税が漏れている建物を登記した場合には、法務局からの通知で固定資産税が課税されます。
ケースによっては、今まで課税が漏れていた期間を5年間までさかのぼって課税されることもあります。

住居系の建物(居宅や共同住宅)がある場合は、土地の固定資産税が軽減されます。
200㎡までの住宅地であれば固定資産税が6分の1、200㎡を超えた部分については、3分の1になります。
そのため築年数の古い建物は経年に応じて固定資産税が安くなっている。
また土地の価格が高い地域では、建物の課税がされていたほうが得だということになります。

以上が、登記と固定資産税について考える要素となります。

 

3つ目は、銀行の融資について
不動産を担保にして、銀行からお金を借りる場合には、建物の登記は必ずやらなければならないです。

不動産の登記は、表題部、甲区、乙区の3つで構成されています。
そして必ず、表題部⇒甲区⇒乙区の順番に登記される。
表題部は、建物の現況(居宅とか店舗、木造とか鉄骨造とか、あと床面積)を登記する表題登記。
甲区は、所有権を登記する保存登記
乙区は、銀行の抵当権設定登記です。
つまり、お金を借りる場合は、乙区の抵当権設定登記をしますので、必ず表題部をつくる表題登記が必要です。

銀行で不動産を担保にお金を借りる場合は、その土地上にある建物はすべて登記をします。
土地上にある、登記してない母屋、小さな物置、増築(建て増し)した部分があれば、現状に合うように建物の登記をします。
これは、お金を借りた人が銀行に返済ができなくなった場合に、担保にとった不動産を競売にかけます。
その場合に、登記されていない建物があると、その建物の権利を主張されたら、やっかいなことになります。

なので、銀行で不動産を担保にしてお金を借りる場合は、
その土地上にある建物はすべて、現状に合うように登記をします。

登記されていない建物というのは、ほぼ銀行からお金を借りずに建築した建物です。
銀行融資を受けた場合には、建物の登記は必須です。

また不動産を売却する場合も、買う人は融資を受けて買うことになりますので、
現状に合うように登記をすることになります。

 

以上、法的な登記する義務、固定資産税、銀行の融資についてお話をしました。

建物の登記をしなくても、今何も困ってないと思うでしょう。
でも、将来自分の子供に相続させる場合に、親がしなかった登記の手続きを子供がやらなければならない。

建物の場合は、取り壊してしまえばもちろん登記をする必要がなくなります。
ただし、近いうちに銀行でお金を借りたい、あるいは中古建物として売却を考えているという場合には、
登記をしておけば融資や売却をスムーズに進められます。

建物の登記をするのに、お金がかかりますけど、安心のお金だと思ってください。

以上、建物の登記はしないとダメなのという話をしました。
参考にしていただければ幸いです。

今回も、ご覧いただきありがとうございます(^-^)/
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