宅地分譲に必要な【位置指定道路の許可】をとりたい!土地家屋調査士の知識

今回は、住宅の分譲などで必要な位置指定道路についての話です。
都道府県の条例などで、定めていることが多くて、その地域によってルールが微妙に違います。
ただ微妙には違いますが、大筋はどこの地域でも同じです。

今回の話しで、大筋を理解していただいて、細かいところは、その地域の行政で確認するという使い方をして下さい。

それでは位置指定道路の話をします。

 

位置指定道路は、建築基準法の規定で定められた道路で条文でいうと42条1項5号です。

役所の人は専門用語を普通に使いますので、5号と言ったら位置指定道路と理解していただければと思います。

位置指定道路の手続きには、3つの種類があります。

新規指定、指定変更、指定取消しです。

1つ目は、位置指定道路の新規の指定です。
都市計画法の開発許可にかからないような、宅地分譲などの場合です。
地域によって違いますが、1000㎡以上あるいは500㎡以上の開発行為の場合は、今回の位置指定ではなくて、都市計画法の開発許可が必要となります。

また、既存の通路はあるけど、建築基準法上の道路ではない場合は、新規で位置指定道路の申請をします。

2つ目は、位置指定道路の指定変更です。
既存の位置指定道路の延長をしたり、一部廃止したり、幅員を変更する手続きです。

3つ目は、位置指定道路の指定取消しです。
位置指定道路の全部を廃止する場合です。
既存の位置指定道路の中に、建築したり、位置指定道路を敷地として活用したいときに廃止の手続きをします。

この3つの共通として、位置指定道路に隣接する建物が、新設、変更、廃止をすることによって、既存不適格になるような位置指定道路の許可は受けることが出来ません。
既存不適格になるのは、既存の建物が道路斜線制限にかかる場合、建ぺい率、容積率がオーバーする場合、既存建物が接道しなくなる場合が考えられます。

続いて、位置指定道路の形状の話です。

形状については、その地域で、それぞれルールが違うと思います。
ちなみに埼玉県の場合の話をします。
参考にしていただいて、詳細については各行政に確認していただきたいと思います。
幅員は4.0メートル以上で、隅切りは両隅切りの場合は、2.0メートルの2等辺です。
事情によって、片側にしか隅切りを作れない場合は、3.0メートルの2等辺です。
行政によって、片側のみの隅切りを認めない場合もあります。
接続する道路に、歩道や水路があってその幅が2メートル以上の場合は、隅切りがいらないこともあります。
隅切りは、道路の角度によっては不要

25センチ以上の幅で、未利用地を設けることで位置指定に接していないようにする場合もあります。
位置指定道路の終端は、行政によって、角度を90°にしないと認めない場合があります。
もともと位置指定道路の筆界が別れている場合は注意が必要です。

袋小路の場合は、位置指定道路の延長が35メートルを越える場合は、回転広場が必要です。
ただし、幅員が6メートル以上の場合は、回転広場は不要です。

位置指定道路については、本申請までに分筆登記が必要です。

位置指定道路の申請に必要な承諾の範囲です。
位置指定道路の土地については、所有権者、抵当権者などの権利者の承諾が必要です。
また、位置指定道路に隣接する土地、建物の所有者の承諾も必要です。
承諾については、実印で印鑑証明書を添付する場合、または認印でいい場合もありますので、各行政へご確認ください。

位置指定道路の申請手続きと同時に、関連する担当各課との協議も同時に進めて行きます。
担当各課は、下水道、上水道、道路工事施工承認申請、東京電力、NTT、ごみ集積所の設置などが上げられます。

道路工事施工承認申請は、土地家屋調査士が行う場合が多いと思いますが、
上水道、下水道は、その工事業者さん
東京電力、NTT、ごみ集積所は不動産業者さんが協議することもありますので、誰が協議をするのか明確にしておく必要があります。

東京電力、NTTは、既存の電柱を移動したり、新設したり、NTTと東京電力の電柱を共同で使ったりという協議をします。
原則は、位置指定道路内には、電柱を設置することはできません。
宅地内に設置することになります。

道路工事施工承認申請の話をすると
施工承認は、位置指定道路と公道の接続部分についての工事です。
乗り入れ口の側溝を強度の強いものにしたり、暗渠にしたり、蓋をグレーチングという網の蓋にしたり、
集水桝を設置する協議が必要です。

最後にまとめます。

位置指定道路は建築基準法42条1項5号の道路です。
手続きには、新規指定、指定変更、指定取消しがあります。
幅員、隅切り、延長の規定が各地域であります。
袋小路の場合は延長が35m以上の場合は、回転広場が必要な場合もあります。
25センチ幅の未利用地をつくることで、位置指定道路に未接続にして承諾を不要にしたり、既存建物の不適格を避けることができる場合があります。
承諾が必要な範囲は、位置指定道路の所有者、抵当権者など、道路隣接の土地、建物所有者です。
位置指定道路の申請にあたり、関係各課の協議も必要です。
上下水道、ごみ集積所、NTT東京電力の電柱の協議、道路工事施工承認が必要です。
位置指定道路内に電柱は新設できないのが基本です。

以上、位置指定道路についてお話をして来ましたが、今日の話をしました。
今日の話を参考にしていただいて、各行政と詳細の話をつめていただければと思います。