所有者不明の土地の問題についての法律の整備はどうなってるか?

一時期にたくさん報道がされた所有者不明の土地の問題です。

62万筆の地籍調査をしたところ、登記の記録からその所有者を特定できない土地が20.3%(12万5千筆)の所有者を特定することができなかった。

20%ですから日本全体の九州一個分が所有者不明である。
2040年には、北海道一個分の土地が所有者不明になると話題になりました。

今回は、この所有者不明土地の問題を解決するために、法律の整備が行われました。
また改正される予定のものもあります。
今回、その紹介をします。

 

東日本大震災のときに、高台に住宅を移転させるのに、国が山林の買収を進めようとしたが、所有者が不明の土地が多くて苦慮したということがありました。

それに始まって所有者不明土地について、法律の整備が行われて本格的な対策が行われております。

平成28年の地積調査で、所有者に登記された住所に通知を出したところ通知が届かずに戻ってきた。
先程言ったように、20.3%が登記記録だけでは、所有者の所在が特定出来なかった。

これを持って九州1個分の土地が、所有者不明の土地であると報道されました。

その後、住所の移転など追跡の調査しても、全体の0.41%は、所有者が不明であったということです。

最終的には0.41%とは言っても所有者不明のままでは、道路の拡幅などの公共事業も進まないということになります。

では所有者不明の土地の対策についてお話しします。

「表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律」が施行されました。
表題部所有者不明の土地とは、登記記録に所有者の住所氏名が正常に記録されていない土地です。
具体的には、次の3つの例です。
1, 住所の記載がない土地
氏名のみが記載されていて住所の記載がない

2, 字持地
「大字○○」とだけ記載されている。字が所有している土地

3, 記名共有地
「○○他何名」などの記載がされている。共有者が誰だか分からない。

全体の1%200万筆が、このような変則型登記の所有者不明土地と言われています。

このような土地について、登記官に所有者の探索に必要な調査権限が与えられる。
所有者不明の土地について、新たな「財産管理制度」裁判所が選任した管理者による管理を創設する。

つぎは、所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法です。
所有者不明土地について反対する権利者がなく、建物がない場合は、利用できる仕組みを構築しています。
地域の福利増進事業であれば、所有者不明土地を利用して事業を行うことができます。
公園や直売所(購買施設)などがあげられます。
権利者が出てこない場合、異議がない場合は期間の延長も可能です。

法務局の登記官が、長期間相続登記などがされていない土地について、「長期相続登記など未了土地」である旨を登記に記録することできるようになりました。

国土調査法です。
所有者不明の土地等について、筆界特定制度を活用し、法務局と連携して筆界を特定する。
今まで国土調査で境界が確認できない土地は点線で「確認未了」と記載されていました。
それが筆界特定制度で特定できるということになりました。

不動産登記法です。
令和2年11月改正の試案です。まだ決定ではありません。

相続の登記が義務化されます。
これまでは、資産価値が低い土地は相続登記がされずに放置されるということがありました。義務化されることで、相続登記未了の土地が減るのでなないかと期待します。

登記名義人の住所、氏名の変更の登記についても義務化されるようです。
っていうか、住所を移転したり、婚姻で氏名が変わった場合に、市区町村とデータとリンクして自動的に登記記録が変更されるようにならないでしょうか。
でも行政は縦割りなんでそこまでは、難しいんでしょう。

相続以外の所有権移転登記も義務化されます。

外国に住所を有する外国人の登記名義人は、日本国内の連絡先を登記することができる。

民法の改正です。
これも令和2年11月施行の試案です。

共有の場合には、共有者が選任する管理者も設けることができる。

裁判所が共有物の管理者を選任する。
所有者不明土地等については第三者の申立、そのほか共有者の申立で裁判所が管理者を選任する。

隣地使用権の見直しです。
境界の調査又は境界を確定するための測量で隣地に対して使用の承諾を求めることができるとされています。

遺産分割の期間制限が設けられます。
遺産分割の申立のないまま、仮に10年経過したときは、具体的な相続分を主張できないとされてます。
長期的に相続登記がされない土地を作らいという趣旨です。

土地所有権の放棄が認められます。
放棄された土地は国庫に帰属します。
放棄できるのは個人のみか法人を含むかまだわかりません。
共有の場合は、共有者全員で放棄しないかぎり放棄できない方向です。

以上、所有者不明土地に関する法律改正また民法、不動産登記法の改正試案についてお話をしました。

最後にまとめです。

「表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律」が施行されました。
登記官に所有者の探索に必要な調査権限が与えられる。

所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法です。
地域の福利増進事業であれば、所有者不明土地を利用して事業を行うことができます。

国土調査法です。
所有者不明の土地等について、筆界特定制度を活用し、法務局と連携して筆界を特定する。

不動産登記法です。
令和2年11月改正の試案です。まだ決定ではありません。

相続の登記が義務化されます。
登記名義人の住所、氏名の変更の登記についても義務化されるようです。
相続以外の所有権移転登記も義務化されます。
外国に住所を有する外国人の登記名義人は、日本国内の連絡先を登記することができる。

民法の改正です。
これも令和2年11月施行の試案です。
共有の場合には、共有者が選任する管理者も設けることができる。

裁判所が共有物の管理者を選任する。
所有者不明土地等については第三者の申立、そのほか共有者の申立で裁判所が管理者を選任する。

隣地使用権の見直しです。
境界の調査又は境界を確定するための測量で隣地に対して使用の承諾を求めることができるとされています。

遺産分割の期間制限が設けられます。

土地所有権の放棄が認められます。

以上、所有者不明土地についてのお話でした。
参考にしていただけると幸いです。