【道路の寄付】道路の部分の土地を自治体に寄付できるの?

前面道路の幅が狭くて、道路の後退(セットバック)が必要である。
また私道になっていて管理が大変なので、できることなら自治体に寄付をしたい。

そういうことがあると思います。
今回は道路を寄付ができる、できない。
寄付した場合に、助成金が出る、出ないというのは、自治体によってみんな違います。

 

今回は、道路の部分を寄付できるか、できないのか
寄付した場合に助成金が出るのかについて、さいたま市の基準をお話します。

道路の寄付を検討する場合には、今回の話を参考にして、ご自身の管轄する市区町村で確認して下さい。

住宅を所有するのに、前面の私道やセットバック部分を所有している場合があると思います。

そんなときに、私道を市区町村に寄付できれば、わずらわしい思いをしなくて済むと思います。

私道を所有していると、砂利敷であれば雨水でぬかるんだりする。
アスファルトも老朽化してデコボコになって補修が必要になる。

何をするにも、私道を所有している他の人と話し合いをしなければいけない。

私道を寄付することができれば、その後の維持管理は市区町村がすることになります。

道路の砂利でも、アスファルトでも、U字側溝でも、維持管理は自治体になります。

ただし、寄付するためには、その市区町村ごとに条件があり、その条件をクリアする必要があります。

さいたま市の道路部分の寄付採納についての3つのポイントについてお話します。
1つ目は、私道を寄付するときの要件
2つ目は、道路後退部分(セットバック)の寄付の要件
3つ目は、道路後退部分(セットバック)の寄付したときの助成金について

それでは
1つ目は、私道を寄付するときの要件
https://www.city.saitama.jp/005/003/011/003/p012267.htm

・今現在一般交通の用に供されていること。
・建築基準法上の道路であること。位置指定道路等ということになります。
・行き止まりの道路は対象外ですあり、通り抜け道路であること。

・幅員が4メートル以上であること。排水処理が可能な形状であること。
・私道が交差点と屈曲する箇所(120°以下)には、隅切りがあること。
・抵当権など、第三者の権利がある場合には、抹消の登記をする必要があります。

・道路内に、塀などの構造物がある場合は撤去が必要です。
・共有の場合は、共有者全員で申請する必要があります。

2つ目は、道路後退部分(セットバック)の寄付の要件
https://www.city.saitama.jp/001/010/001/p001922.html

私たちの身近にある道路は、交通や防災等に重要な役割をしています。
建築基準法では、幅員が4メートル未満の道路に接する土地に建物を建てる場合には、
建物の敷地はその道路の中心から2メートル後退しなければならないとされています。

さいたま市では安全で住みよい街づくりのために、4メートル未満の道路の場合に
後退した土地を寄附して、さいたま市で維持、管理、整備をしていくと言うことになっています。

寄付の要件としては、
・建築基準法42条2項の道路であること
道路後退(セットバック)が必要な道路ということです。

・境界が確定済みであること
寄付採納する範囲についてはすべて境界標が設置していること測量図の提出が必要になります。

・道路内の構造物の撤去
後退用地に建築物、工作物、植込み等がある場合は、これらを撤去が必要になります。
分筆登記、測量は申請者(土地所有者)が行って、所有権移転登記はさいたま市で行ないます。

・抵当権等の登記の抹消
所有権以外の権利の登記はすべて抹消ずることが必要です。
ただし、先に申請書を提出して申請中に、抹消登記が完了すれば良いということになります。
流れとしては、まず寄付採納の申請書類をさいたま市に提出します。
そして受付印を押した申請書のコピーを持って、抵当権者に抹消登記の承諾書を交付してもらって、抵当権抹消登記をする。
おおよそ銀行さんは、寄付申請を受付した書面を確認しないと抵当権抹消に応じないので、そうした流れになるということです。

・敷地と道路とに高低差が大きい場合には、寄付できないこともあります。

・農地、生産緑地の場合
原則道路後退用地として寄付することはできますが、事前に相談が必要です。

3つ目は、道路後退部分(セットバック)の寄付したときの助成金について
セットバック部分を寄付た場合は助成金がでます。
助成金は、測量費用、分筆費用についての助成金です。
1宅地について、上限12万円が出ます。

宅地が3つあっても、後退用地が1筆の場合には、12万円の支給となります。
これが後退用地が3宅地に分かれていると、36万円支給される可能性があるということになります。

この辺りの取り扱いは、少し微妙なので、はっきりとは言えませんが過去にこのように支給されています。

後退用地寄付についての助成金については、その制度があることを知らない人が多くて
活用されていないことがありますので、ぜひ検討してみてください。

以上、さいたま市の道路の寄付採納についてお話をしました。

1つ目は、私道を寄付するときの要件
建築基準法上の道路であること
通り抜け道路であることなど

2つ目は、道路後退部分(セットバック)の寄付の要件
後退用地に構造物がないこと
抵当権がある場合は抹消登記が必要

3つ目は、道路後退部分(セットバック)の寄付したときの助成金について
1宅地について12万円の助成金が支給されます。

この私道の寄付、後退用地の寄付、また助成金については、各自治体によって違います。
寄付の制度自体がない自治体もあります。
寄付の要件は、自治体によってみんな違います。
また寄付をしても助成金の制度がない市区町村もあります。

さいたま市は、寄付もしやすいですし、助成金も出やすい、条件がわりと緩やかです。
川口市の場合は、助成金ももらえるんですけど、建築確認を取ることが条件になりますので、少しハードルが高くなります。
草加市の場合は、私道が通り抜けでない行き止まりの道路でも、寄付を受けてもらったことがあります。

今回の話を参考にしていただいて、ご自身の該当する市区町村に確認をしていただければと思います。