【宅地の形状】宅地の幅、方位、面積どんな基準で考えればいいの?

宅地の形状というのは、幅、道路付け、面積がこれがどの土地も違います。
一つとして条件が同じ土地はありません。
土地を購入される人は本当に悩まれると思います。
も~どの土地を選んでいいかわからないよー。
そんなふうに思ってませんか?

今回は、宅地分譲のプランニングをする立場から、宅地の形状についてのお話をします。
土地選びで悩んでいる人にとっては、ヒントになると思います。
ぜひ最後までご覧ください。

私は、300㎡とか500㎡とか1000㎡とか土地を宅地分譲業者さんが仕入れて、
宅地の分譲の計画をするんですけどその時の考え方をお話します。
限られた条件の中で、売りやすい宅地分譲地をプランしていきます。

そのときに考える宅地の形状の3つのポイントをお話します。
1つ目は、方位
2つ目は、面積
3つ目は、宅地の幅

それでは1つ目は、方位です。
方位については、できるだけ南側にスペースを開けるように設計します。
南側が開けられなければ、東側にスペースを開ける。
東側が開けられなければ、西側にスペースを開けるように設計します。
そして北側はできるだけ建物が詰められるように設計をします。

南側は日照時間が長いですし、東側は朝日を浴びることができます。
植物を植えて、ガーデニングを楽しむこともできます。

北側については、日も当たらずに植物も育たないですし、
使いみちがほとんどないんです。
なのでできるだけ建物を北側に寄せるイメージで設計します。

逆に、南側、東側は庭やカースペースとして使いますので、空間を開けるイメージで設計します。
庭として利用する部分については、土地が不整形であっても問題はないということになります。
旗竿地もできるだけ分譲地内が採光が得られるように考えます。

2つ目は、面積
1宅地あたりの面積については、2つの要素から考えます。
まずは融資基準や法令による面積基準がある場合があるということです。
融資の基準で言うと、あまり狭い土地では融資が受けられないということもあります。
地域によって違いがあるかも知れませんが、おおよそ50㎡以下の土地になりますと借り入れが難しいということになります。

市区町村の条例で、最低宅地の面積が定められていることもあります。
主に都市計画法の開発許可が必要な場合には、1区画80㎡以上とか100㎡以上とか120㎡以上のように条例で定められていることもあります。
そう言った場合には、その条例に従うしかありません。

また容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)について、定めがある場合です。
例えば容積率80%の土地で、一般的な住宅の延床面積である100㎡の建物を建てたい場合には、
80%÷100㎡で、逆算すると土地の面積が125㎡以上は必要ということになります。
容積率が60%であれば、100㎡の建物を建てるためには、土地の面積が167㎡以上が必要となります。

つぎに、土地の価格帯によって宅地分譲面積は変わるということです。
標準的な土地の価格であれば、1宅地100㎡というのが標準面積になります。
しかし、土地の高い地域では、1区画あたりの分譲面積は小さくなります。
土地の安い地域では、1区画の面積が大きくなるということになります。

1坪200万円の地域であれば、30坪(約100㎡)で、6000万円という価格です。
土地の金額6000万円に建物の金額を足すと、かなり買える人が限定されて、医者とかかなりの高所得者しか買えないということになりますので、
50㎡~70㎡くらいの分譲ということになろうかと思います。
逆に土地の価格の安い地域では、120㎡~200㎡と一区画が大きくなります。

区画の大きさについては、法令等の基準や価格帯によって変わるということになります。

3つ目は、宅地の幅
宅地の分譲をする上では、宅地の幅というのが重要となります。

まずは、旗竿地から説明をいたします。
旗竿地の竿(路地)の部分については、幅が2.0m以上あれば、建築の許可を受けることができます。
路地の幅(接道)が2.0m未満だと再建築ができません。

ただし、この竿(路地)の部分については、単に通行や建築のためではなくて、
自動車を駐車する目的があります。
自動車の駐車ということを考えると最低でも、幅2.5mで奥行きが5.0m必要になります。
これを実際に車を駐車してみるとわかるんですけど、2.5mって結構狭いです。
両サイドの車のドアを同時に開けたり、車の脇を荷物を持って通るとなるとかなり狭いと感じます。
少し余裕を持ちたいのであれば、2.6mとか、2.7mとかあるいは余裕を持って3.0mとるとかなり余裕のある駐車スペースになります。
宅地を有効に活用するために、旗竿の路地部分を鍵状にすることもあります。
隣の宅地の幅を広くすることができますので、有効利用ができます。

旗竿地は、通路や建築のためというより駐車スペースとして活用するということになります。

つぎに、一般の宅地の幅についての話です。
感覚的に言うと、宅地の面積にもよりますが幅7.0m取れるといい宅地だという認識です。

宅地の幅というのは、建物の配置をイメージするということになります。
建物でいい間取りの家を建てようと思うと、3間(5.46m)以上の幅が必要です。

3間(5.46m)よりも幅の狭い住宅というのも沢山ありますけど、
住みやすさを考えると5.46mというのが一つの基準ということになります。

民法の規定で境界から建物の外壁までの距離を50センチ以上を離して建築することになります。
民法の50センチを確保するのに、柱の中心から60センチを離して設計をします。

なので宅地の幅(平行の幅)というのは、5.46m+0.60m+0.60m=6.66m以上は必要ということになります。

それでは振り返ります。
1つ目は、方位について話をしました。
まず南側に空間をつくるように考えます。
つぎに東側、そして西側を空間が明けられれば、日当たりを確保できます。
北側は、空間を明けないようにします。

2つ目は、面積
宅地の標準的な面積は100㎡です。
土地の金額を考慮するのと法令などで定めがある場合には変わります。

3つ目は、宅地の幅
旗竿の通路部分は、2.5m以上は車を停めるために必要です。
2.6mとか、2.7mとか広いほどいいです。
宅地の幅は、7.0m以上がいいですが、建物の設計を考えると6.66m以上はあったほうが良いでしょう。

分譲業者さんが、300㎡とか500㎡とか1000㎡の土地を仕入れて、私が宅地割を検討します。
私は、まとまった土地を見るとその土地が分割して見えるというという職業病みたいなところがあります。
この宅地分譲の考え方が、200㎡、300㎡の土地を購入するときには、宅地分譲の用途ではなくても将来、売却するときの出口戦略にもつながります。

以上、参考にしていただければ、幸いです。