【土地家屋調査士】相続人からする不動産の登記申請

よく聞かれる内容で
登記の申請は相続人からでも申請できるのかという質問をされます。
土地家屋調査士がする登記の申請は、原則相続人から申請をすることができます。

ただし、その登記の内容によって、相続人の一人から申請できる場合もありますし、
相続人全員から申請する必要がある登記もあります。
また、揃えないといけない戸籍の内容も違います。

今回は、相続人からする土地家屋調査士の登記の申請についての話をします。
この動画を見ていただければ、相続人から登記申請する内容が分かります。
ぜひ最後までご覧ください。

それでは、相続人からする不動産の登記申請3つのポイントをお話します。

1つ目は、報告的な登記を相続人から申請する場合
2つ目は、建物を新築したときの建物表題登記を相続人から申請する場合
3つ目は、土地の分筆、合筆の登記を相続人から申請する場合

1つ目は、報告的な登記を相続人から申請する場合
報告的な登記申請については相続人の一人から申請することができます。
報告的な登記というのは、不動産の物理的な状況を報告する登記です。

土地の地目が変更した場合の登記、例えば畑を宅地に変更した場合の地目変更登記
土地の面積を訂正する地積更正登記
建物が増築、種類や構造が変更した場合の変更登記
建物を取壊したときの建物滅失登記
珍しい登記としては、土地の一部の地目が変更した場合の一部地目変更分筆登記があります。
宅地の一部が、道路になったために分筆する場合などがこれに当たります。

このような報告的な登記は、相続人の一人から申請をすることができます。
添付する相続証明書は、
被相続人である登記の名義人が死亡したことを証明する戸籍謄本
申請する人が相続人のうちの一人であることを証明する戸籍謄本
本籍地と住所地を記載した住民票または戸籍の附票を添付します。

被相続人の戸籍は出生までさかのぼる必要はありません。

2つ目は、建物を新築したときの建物表題登記を相続人から申請する場合

2つのパターンで説明をします。
パターン①は、被相続人の名義で登記する
被相続人名義にする建物表題登記を相続人から申請することができます。
死亡者を所有者とする登記をするのは相当でないという意見もありますが、
相続人間で相続方法の協議がと整わないなどの場合には、死亡者を所有者とする登記はやむを得ないとされています。

パターン②は、直接相続人名義で登記する場合
もちろん直接相続人名義で登記することができます。
この場合には、建物が被相続人の所有であったことを証明する書類
(確認済証、検査済証、工事人の証明書など)と相続証明書を添付して申請します。
この場合の相続証明書は、他に相続人がいないことまで証明が必要なので、
被相続人が子供が作れる年齢(12,13歳)まで遡って戸籍を揃える必要があります。
また法定相続人全員の戸籍も必要になります。

3つ目は、土地の合筆、分筆の登記を相続人から申請する場合
合筆と分筆の登記については、相続人全員から申請することができます。
このように、東側半分を相続人Aが取得して、西側半分を相続人Bが取得する場合は、
被相続人名義のまま、相続人全員から、合筆登記をして分筆することができます。

相続人全員というのは、
その土地を相続で取得する人が、AさんとBさんであれば、ABから遺産分割協議書を添付して申請します。
もしくは分割協議が整っていない場合には、法定相続人の全員から申請することになります。

遺産分割協議書の記載は、先に分筆が終わっている場合は普通に財産目録に地番、地目、地積を記載します。
ほとんどの場合は、分割協議の時点では分筆が終わっていないので、5番3の一部東側〇〇平方メートルといったように記載します。
分割協議書に、測量図を添付することもありますが、測量図がなくても問題はありません。

手続きの手法として、相続登記をしてから、相続人名義で分筆登記をするのか
もしくは、被相続人名義のまま分筆をしてから相続登記をするのかということになります。

どちらでも問題はありませんが、被相続人名義のまま分筆をしたほうが手続きが簡単なので、
被相続人名義のまま分筆することをおすすめいたします。

仮に、先に相続登記をしてAB共有にした場合には、一旦は1/2A、1/2Bと共有にして、
分筆登記をして共有持分を移転することになりますので、手続きの工程が多くなります。

先に分筆登記をした場合には、東側半分について被相続人から直接相続人Aに移転して、
西側半分については直接相続人Bに移転しますので、手続きの工程が少なくて済みます。

この分筆、合筆登記の相続証明書は、他に相続人がいないことまで証明が必要なので、
被相続人が子供が作れる年齢(12,13歳)まで遡って戸籍を揃える必要があります。
また法定相続人全員の戸籍も必要になります。

以上、相続人からする不動産の登記申請についてお話しをしました。

1つ目は、報告的な登記を相続人から申請する場合
相続人のうちの一人から
地目変更登記、地積更正登記
建物の増築や取壊しをしたときの登記
の申請をすることができます。

2つ目は、建物を新築したときの建物表題登記を相続人から申請する場合
被相続人の名義で建物表題登記をすることもできます。
直接、相続人の名義で建物表題登記をできます。

3つ目は、土地の合筆、分筆の登記を相続人から申請する場合
相続人の全員から
被相続人名義のまま、土地合筆、分筆の登記を申請することができます。

以上、参考にしていただければ幸いです。